「日本銀行のマイナス金利政策が、
地域金融機関の経営にどれだけの影響を与えているか」
という「蟻の一穴?」に、もう少し触れていただければ、
現状の地域金融の置かれている状況が、
もっと伝わると思いました。
「地方創生」
それに地域金融機関が貢献していくために求められる「事業性評価の重要性」は、
本書を通じて、とてもよく理解できます。
しかしながら、地域金融機関の「本業」が、
「資金利益」を得る融資、有価証券運用とするならば、
日銀のマイナス金利政策により、
地域金融機関の「本業」は、困難な状況になっています。
地域金融機関は、収益性を考えなくてよいのならば、
「事業性評価」を通じた「地方創生」へと進んでいくことができると
思うのですが、現実はどうでしょうか?
「マイナス金利」の影響は、「資金利益」の減少にすぐ現れますが、
「事業性評価」の結果は、すぐ現れるものではないと思います。
また、個人のお客さまにとっても、
「ローン金利の低下」の恩恵はあるでしょうが、
「預金金利、公社債金利の低下」という悪影響もあります。
「貯蓄から投資へ」という流れのなか、
マイナス金利となり、預貯金の金利が無くなって、
「個人向け国債」の販売が増えたというところに、
日本の一般的な個人の投資性向の「現実」をみることができると思います。
地方にいて思うことが、
「マイナス金利政策」の理屈はよくわかりますが、
「理論」と「現実」のギャップを重く受け止める必要があるのではないでしょうか。
「地方での仕事を増やすこと」
「地方で在住する人々の所得を増やすこと」
地方創生に求められる「現実的」な課題だと思います。
金融行政が「お客さま目線?」になってきていることは、
とてもよく感じますが、
最近、金融機関の仕事が少しわかるようになってきて、
「バーゼル規制」等の重要性も少しだけわかるようになってきました。
いずれにせよ、
現状の地域金融機関の最大の懸念事項は、
「金融検査マニュアル」ではなく、
日銀の「マイナス金利政策」の負の影響です。
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捨てられる銀行 (講談社現代新書) 新書 – 2016/5/18
橋本 卓典
(著)
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購入オプションとあわせ買い
2015年夏に就任した森信親・金融庁長官の真意を知ろうと、いま金融機関のMOF担はじめ多くの銀行関係者は右往左往している。もともと不良債権処理のために整備された金融庁による金融検査の手法が一変しようとしているのだ。森長官に密着する金融庁担当記者がそのすべてを明らかにする。
森信親・金融庁長官が剛腕を揮う、金融改革とは何か。会議の一新。銀行を飛び越えて、取引相手の中小企業に銀行について徹底ヒアリング。金融検査マニュアルを実質廃止して、金融機関の事業性を評価する新基準。始まったばかりの改革の行く末と狙いを明らかにする。
森信親、金融庁長官の素顔。森長官が地銀から異例の一本釣りをして改革の担い手として抜擢した日下智晴氏の正体。地域金融のトップランナー、多胡秀人氏の信条。
金融検査マニュアルや信用保証協会の存在で、顧客を見なくなり、目利き力を失った金融マンの問題とは。ノルマ達成がメインだった人事評価を一変せよ!
稚内信金、北國銀行、きらやか銀行、北都銀行など、改革をいち早く始め成果を上げた地域金融のケーススタディ。
森信親・金融庁長官が剛腕を揮う、金融改革とは何か。会議の一新。銀行を飛び越えて、取引相手の中小企業に銀行について徹底ヒアリング。金融検査マニュアルを実質廃止して、金融機関の事業性を評価する新基準。始まったばかりの改革の行く末と狙いを明らかにする。
森信親、金融庁長官の素顔。森長官が地銀から異例の一本釣りをして改革の担い手として抜擢した日下智晴氏の正体。地域金融のトップランナー、多胡秀人氏の信条。
金融検査マニュアルや信用保証協会の存在で、顧客を見なくなり、目利き力を失った金融マンの問題とは。ノルマ達成がメインだった人事評価を一変せよ!
稚内信金、北國銀行、きらやか銀行、北都銀行など、改革をいち早く始め成果を上げた地域金融のケーススタディ。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2016/5/18
- 寸法10.6 x 1.1 x 17.4 cm
- ISBN-104062883694
- ISBN-13978-4062883696
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商品の説明
著者について
橋本 卓典
共同通信社金融庁担当記者。一九七五年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。二〇〇六年共同通信社入社。経済部記者として流通、証券、大手銀行、金融庁を担当。〇九年から二年間、広島支局にも勤務。金融を軸足に幅広い経済ニュースを追う。一五年から二度目の金融庁担当で、地域金融を中心に取材。
共同通信社金融庁担当記者。一九七五年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。二〇〇六年共同通信社入社。経済部記者として流通、証券、大手銀行、金融庁を担当。〇九年から二年間、広島支局にも勤務。金融を軸足に幅広い経済ニュースを追う。一五年から二度目の金融庁担当で、地域金融を中心に取材。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2016/5/18)
- 発売日 : 2016/5/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4062883694
- ISBN-13 : 978-4062883696
- 寸法 : 10.6 x 1.1 x 17.4 cm
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- - 742位銀行・金融業 (本)
- - 773位講談社現代新書
- - 788位金融・銀行
- カスタマーレビュー:
著者について
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共同通信編集委員、金融を題材に「人とは何か」をテーマとして取材、執筆。地域の元気を目指す個が集まる部活「地域金融変革運動体」の一員。NIKKEI FINANCIALなど多数、コラムなど連載。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年6月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
マイナス金利の時代、
銀行は、収益確保が課題だろう。
地域金融機関は、他行との再編、分野統合などの
検討に乗り出すところもあるようだ。
ただ、それには、
地域顧客を見失わないと事が、大切なのではないか。
担保や保証に依存せず、
相手の在庫やキャッシュフローで
融資する信金がある。
稚内信用金庫である。
だから不良債権リスクを覚悟して、
内部留保の充実「やせ我慢経営」に努めている。
「可能な限り引当をしながら
地域経済全体にとって有益と
判断を付ければ貸し出しを続ける」
これが、経営姿勢だ。
地域顧客に寄り添う姿が見える。
選ばれる銀行とは、
地元顧客目線を持つ金融機関の事だろう。
銀行は、収益確保が課題だろう。
地域金融機関は、他行との再編、分野統合などの
検討に乗り出すところもあるようだ。
ただ、それには、
地域顧客を見失わないと事が、大切なのではないか。
担保や保証に依存せず、
相手の在庫やキャッシュフローで
融資する信金がある。
稚内信用金庫である。
だから不良債権リスクを覚悟して、
内部留保の充実「やせ我慢経営」に努めている。
「可能な限り引当をしながら
地域経済全体にとって有益と
判断を付ければ貸し出しを続ける」
これが、経営姿勢だ。
地域顧客に寄り添う姿が見える。
選ばれる銀行とは、
地元顧客目線を持つ金融機関の事だろう。
2016年12月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は金融機関人であります。本部での研修などでしきりに読むように勧められており、支店長からも「感想を朝礼で発表しろ」等の圧力をかけられ続けた結果、購読しました。
内容は「金融庁のトップの変更に伴うリレーションシップバンキング及び定性評価を主体とした事業性評価へのシフト。その必要性、趣旨。そこに至る変遷と携わった男たちの半生の物語」である。
率直な感想を申し上げるとプロジェクトXの小説版のような内容であり、人物へのフォーカスの比重の大きさや半生の描写の上手さからも複数人の伝記のような本である。要するに日々の業務にまるで活かせない。
しかしながら保証協会のシステムや金融機関の本音の部分を描いた部分もあり、金融機関を志す人間には業界の知識を取り込むツールとして有効な一冊になりえる。
本書の流れ
・今般の金融機関は返済余力のある事業所に大口融資を行い、困窮している事業所を冷遇している。
・残高主義のノルマ融資が目利き力を喪失させてしまった。
・担保主義融資や安易な協会融資の批判。
・目利き力とは決算書の情報(定量)では評価されない顧客層、地域への貢献度、経営者の人柄やビジョン等の定性評価
・新金融庁トップの森さんは目利きの低下を憂い、金融庁監査を定性評価へとシフト
・不況下の現在においては定性評価による古参、駆出し企業の保護が地域金融機関の責務である
・本書の弊害
これが一人の経済学者の論文であればどうということはなかった。しかし本書は現金融庁トップの方針を肯定的にとらえ後押しする内容であり、金融機関側も金融庁や日銀の思惑を探る金融庁対策マニュアルとして活用し始めていることから、金融機関史上最悪の毒となりうるものである。
現実として私の組織に地獄はきた。私の金融機関では本部職員や渉外担当全員に本書の熟読を義務付けており、全事業先の定性評価シートなるものの作成、稟議書への定性評価シートの添付(稟議都度作成)、月毎の全事業先のモニタリング、向こう3か月以内に全事業先の事業計画の策定(普通は経営改善先のみ。)が施行された。無理難題である
定性評価での融資は非常に危険である。零細企業の支援は地域金融機関の最上の使命であることは就職当初の熱が冷めきった今でも認識しているところではあるが、極論すれば「事業内容は芳しくないが経営者の人物は良く地域の評判は良いのでこの稟議を通し、支援しましょう」ということである。
こんな稟議通しますか?
いずれにせよ森さんの考えは良くも悪くも現状を破壊するものであり、彼が金融庁トップの間は金融機関はより緻密なモニタリングが必要になる。
今般の金融機関はマイナス金利と利下げの機運によるダブルパンチによりその収益構造の見直しが急務となっている。
今の金融機関に森さんの考えを徹底する余裕はないものと見受けられる。税理士や会計士がモニタリングを行い金融機関が融資するスタイルにしなければ現場がもたないのではないだろうか。
本書を現場に薦めてあれこれ支持をする金融機関幹部も少しは冷静になって頂きたい
内容は「金融庁のトップの変更に伴うリレーションシップバンキング及び定性評価を主体とした事業性評価へのシフト。その必要性、趣旨。そこに至る変遷と携わった男たちの半生の物語」である。
率直な感想を申し上げるとプロジェクトXの小説版のような内容であり、人物へのフォーカスの比重の大きさや半生の描写の上手さからも複数人の伝記のような本である。要するに日々の業務にまるで活かせない。
しかしながら保証協会のシステムや金融機関の本音の部分を描いた部分もあり、金融機関を志す人間には業界の知識を取り込むツールとして有効な一冊になりえる。
本書の流れ
・今般の金融機関は返済余力のある事業所に大口融資を行い、困窮している事業所を冷遇している。
・残高主義のノルマ融資が目利き力を喪失させてしまった。
・担保主義融資や安易な協会融資の批判。
・目利き力とは決算書の情報(定量)では評価されない顧客層、地域への貢献度、経営者の人柄やビジョン等の定性評価
・新金融庁トップの森さんは目利きの低下を憂い、金融庁監査を定性評価へとシフト
・不況下の現在においては定性評価による古参、駆出し企業の保護が地域金融機関の責務である
・本書の弊害
これが一人の経済学者の論文であればどうということはなかった。しかし本書は現金融庁トップの方針を肯定的にとらえ後押しする内容であり、金融機関側も金融庁や日銀の思惑を探る金融庁対策マニュアルとして活用し始めていることから、金融機関史上最悪の毒となりうるものである。
現実として私の組織に地獄はきた。私の金融機関では本部職員や渉外担当全員に本書の熟読を義務付けており、全事業先の定性評価シートなるものの作成、稟議書への定性評価シートの添付(稟議都度作成)、月毎の全事業先のモニタリング、向こう3か月以内に全事業先の事業計画の策定(普通は経営改善先のみ。)が施行された。無理難題である
定性評価での融資は非常に危険である。零細企業の支援は地域金融機関の最上の使命であることは就職当初の熱が冷めきった今でも認識しているところではあるが、極論すれば「事業内容は芳しくないが経営者の人物は良く地域の評判は良いのでこの稟議を通し、支援しましょう」ということである。
こんな稟議通しますか?
いずれにせよ森さんの考えは良くも悪くも現状を破壊するものであり、彼が金融庁トップの間は金融機関はより緻密なモニタリングが必要になる。
今般の金融機関はマイナス金利と利下げの機運によるダブルパンチによりその収益構造の見直しが急務となっている。
今の金融機関に森さんの考えを徹底する余裕はないものと見受けられる。税理士や会計士がモニタリングを行い金融機関が融資するスタイルにしなければ現場がもたないのではないだろうか。
本書を現場に薦めてあれこれ支持をする金融機関幹部も少しは冷静になって頂きたい
2016年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
企業経営従事者が読んでみた。
内容はとても面白く、特に印象的なのが、金融庁の行政方針として「事業性評価」を挙げている点だ。
そもそも現在、金融機関が融資先を財務査定している所謂「スコアリング」は金融庁検査が根底にある。
バブル崩壊後の不良債権処理を進めていく過程で取られたのが、ほぼ財務のみを査定していくスコアリングである。
しかし、これによって技術力や商品力など将来性のある会社が財務スコアに反映されず処理されていった。
そして今、金融庁が行政方針として打ち出している「事業性評価」であるが、時既に遅し。
金融機関内部にこの事業性評価を出来る人間がいなくなっている。
担当者は顧客を見ずに上司を見て、その上司は支店長を見て、支店長は銀行役員を見ている。
そしてその銀行役員は金融庁を見ている。
今、金融業界にいて顧客を見ている人間は稀だろう。
そんな中で広島銀行が行ってきた事業性評価事例は面白かった。
弊社の取引行である政府系金融機関は事業性評価を行っていると常々感じている。
ただし民間銀行は財務しか見ていない。
財務は過去の結果である。それだけ見ていても将来性を図ることはできない。
だから過去の結果に融資担当者は右往左往する。
業績が悪ければ逃げようとし、業績が良ければ呼んでもいないのにすり寄ってくる。
弊社の取引民間銀行にも広島銀行のような事業性評価をしてくれるところがあれば、単なる借り手貸し手ではなく、
ビジネスパートナーとして付き合えるのにと心底思う。
企業が金融機関に求めているのはパートナーであって、「融資」は手段でしかない。
内容はとても面白く、特に印象的なのが、金融庁の行政方針として「事業性評価」を挙げている点だ。
そもそも現在、金融機関が融資先を財務査定している所謂「スコアリング」は金融庁検査が根底にある。
バブル崩壊後の不良債権処理を進めていく過程で取られたのが、ほぼ財務のみを査定していくスコアリングである。
しかし、これによって技術力や商品力など将来性のある会社が財務スコアに反映されず処理されていった。
そして今、金融庁が行政方針として打ち出している「事業性評価」であるが、時既に遅し。
金融機関内部にこの事業性評価を出来る人間がいなくなっている。
担当者は顧客を見ずに上司を見て、その上司は支店長を見て、支店長は銀行役員を見ている。
そしてその銀行役員は金融庁を見ている。
今、金融業界にいて顧客を見ている人間は稀だろう。
そんな中で広島銀行が行ってきた事業性評価事例は面白かった。
弊社の取引行である政府系金融機関は事業性評価を行っていると常々感じている。
ただし民間銀行は財務しか見ていない。
財務は過去の結果である。それだけ見ていても将来性を図ることはできない。
だから過去の結果に融資担当者は右往左往する。
業績が悪ければ逃げようとし、業績が良ければ呼んでもいないのにすり寄ってくる。
弊社の取引民間銀行にも広島銀行のような事業性評価をしてくれるところがあれば、単なる借り手貸し手ではなく、
ビジネスパートナーとして付き合えるのにと心底思う。
企業が金融機関に求めているのはパートナーであって、「融資」は手段でしかない。
2020年7月5日に日本でレビュー済み
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地域金融機関のあるべき姿が毀損され、何も考えずにカネを貸すだけになってしまっていた。極論ですが、このように解釈をしています。
地銀のあるべき姿は、企業と信頼関係を築き、売り上げや利益などの財務情報だけでなく、ブランド力、サービス力、集客力を深く理解し、改善提案や事業継承まで踏み込んで、地域の全体最適を図ること。つまり、カネを貸すのは当たり前で、それ以上のことが当然求められます。
しかしながら(当時の)現状は、不良債権処理が主目的となったことの延長で、金融検査マニュアル(99年に導入、20年に廃止)による形式主義の万円、信用保証制度による100%保証月融資への丸投げによる目利き力の低下・信頼関係の希薄化という状況。また、人事制度は対外的な見栄え(恥ずかしくない数字)を満足するための数字ありきの状況で、顧客との信頼関係は評価されず。
このような状況だったなかで、当時の森信親長官主導で改革が進められていく様子がわかります。地銀本来の姿を体現している事例もあり、今後の地域金融機関の発奮が期待されます。
地銀のあるべき姿は、企業と信頼関係を築き、売り上げや利益などの財務情報だけでなく、ブランド力、サービス力、集客力を深く理解し、改善提案や事業継承まで踏み込んで、地域の全体最適を図ること。つまり、カネを貸すのは当たり前で、それ以上のことが当然求められます。
しかしながら(当時の)現状は、不良債権処理が主目的となったことの延長で、金融検査マニュアル(99年に導入、20年に廃止)による形式主義の万円、信用保証制度による100%保証月融資への丸投げによる目利き力の低下・信頼関係の希薄化という状況。また、人事制度は対外的な見栄え(恥ずかしくない数字)を満足するための数字ありきの状況で、顧客との信頼関係は評価されず。
このような状況だったなかで、当時の森信親長官主導で改革が進められていく様子がわかります。地銀本来の姿を体現している事例もあり、今後の地域金融機関の発奮が期待されます。
2020年12月16日に日本でレビュー済み
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元金融庁長官の森氏が着手した金融庁改革をわかりやすく書いた本。
「雨の日でなく晴れの日に傘を貸す」、と言われることが多い銀行業界に対して、変革を迫った森氏。そのためには、銀行を不良債権回収に奔走させるきっかけとなった金融庁の金融検査マニュアルなどを変える必要があったが、事なかれ主義の霞が関では、これまで金融庁改革に挑んだ長官はいなかった。
金融業界の変革に対する彼らの想いが伝わってくる本。と、同時に今後の金融業界全体の方向性を占ううえでも、金融庁の心づもりを理解することは重要であり役立つ本である。
「雨の日でなく晴れの日に傘を貸す」、と言われることが多い銀行業界に対して、変革を迫った森氏。そのためには、銀行を不良債権回収に奔走させるきっかけとなった金融庁の金融検査マニュアルなどを変える必要があったが、事なかれ主義の霞が関では、これまで金融庁改革に挑んだ長官はいなかった。
金融業界の変革に対する彼らの想いが伝わってくる本。と、同時に今後の金融業界全体の方向性を占ううえでも、金融庁の心づもりを理解することは重要であり役立つ本である。